業務日誌 25年10月27日

皆様こんにちは。税理士法人インディシーの福田です。
今回は、前回に続き「簿記」についてお話ししたいと思います。
その前に、簿記と出会う前の私自身の話を少しさせてください。

私はもともと銀行に勤めていました。
融資や企業分析など、日々数字に触れる仕事をしていましたが、
「この数字がどのように作られているのか」までは理解していませんでした。

その後、保険外交員へ転職しました。
お客様一人ひとりの人生設計や資金の相談に乗る中で、
お金の流れや数字の裏にある“生活のリアル”を感じるようになりました。

そんなあるとき、私自身が仕事やお金のことで悩んでいた時期がありました。
不安ばかりが募り、状況を整理できずにいたとき、
親身に相談に乗ってくださったのが、ある税理士の先生でした。

その先生は冷静に数字を整理しながら、現状とこれからの見通しを一緒に考えてくれました。
数字を使って問題を「見える化」し、私が前を向けるように導いてくれたのです。
その体験を通して、私は初めて「数字には人を救う力がある」と感じました。
そして、簿記や会計を学べば、自分も同じように誰かの力になれるのではないか――そう思うようになりました。

独学で簿記3級の勉強を始めた当初は、正直まったく意味がわかりませんでした。
借方・貸方・勘定科目……初めて聞く言葉ばかりで、何度も挫折しかけました。
それでも毎日少しずつ続けるうちに、
会社や個人のお金の流れが頭の中でつながっていく感覚がありました。

お金がどう動き、どう記録されるのかを理解できるようになると、
数字を見ることが怖くなくなりました。
むしろ、「数字を通して現実を整理できる」という安心感が生まれたのです。

簿記を学んでからは、数字の見方が大きく変わりました。
以前はお金の流れを“結果”として眺めていましたが、
今は「なぜこうなったのか」「次はどうすれば良いのか」と考えるようになりました。
そして何より、あのとき私を支えてくれた税理士の先生のように、
数字を通して誰かの力になれる人でありたいと思うようになりました。

簿記は、経理や税務を目指す人だけのものではありません。
お金の流れを理解したい人、数字への苦手意識をなくしたい人、
自分の生活や仕事を見直したい人――どんな方にも役立つ学びです。

最初は難しく感じても、続けていくうちに必ず見える景色が変わります。
簿記は単なる技術ではなく、
「数字の向こうにある現実を理解するための考え方」だと、私は感じています。

まとめとして、
銀行員の頃は数字を“結果”として眺めていました。
保険外交員の頃、税理士に助けられたことで、
数字の裏には“人の努力や想い”があることを知りました。
そして簿記を学んだ今、数字が語る物語を少しずつ読み取れるようになりました。

数字には、人を支える力がある。
そう信じられるようになったのは、簿記を学んだからだと思います。

そして今、私はあのとき助けてくださった税理士の先生のもとで働いています。
きれいに締まりましたので、次回のテーマは「最近読んだ本について」お話ししたいと思います🙂